業務改善助成金とは?社会保険労務士が解説

業務改善助成金は、中小企業や小規模事業者が従業員の賃金引き上げを行う際に、それに伴う業務改善のための設備投資や環境整備を支援する助成金です。事業の生産性向上を図りながら、従業員の処遇改善を進めるための制度であり、厚生労働省が実施しています。


1. 助成金の対象となる企業

次の条件を満たす中小企業・小規模事業者が対象です。

事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げること
生産性向上に資する設備投資等を行うこと
資本金や従業員数が一定規模以下であること


2. 業務改善助成金の主な要件

助成金を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

(1) 賃金の引き上げ

  • 事業場内最低賃金を 30円以上 引き上げる(引き上げ額により助成額が異なる)
  • 引き上げた賃金額を 一定期間維持する

(2) 業務改善のための投資

  • 生産性向上に寄与する設備投資やシステム導入が必要
    • 例:業務用機械の導入、POSレジ、勤怠管理システム、業務効率化ソフトウェアなど

単なる備品購入や福利厚生目的の支出は対象外


3. 助成率・助成額

助成額は、事業場規模や賃金引き上げ額によって異なります。

賃金引上げ額助成上限額(例)助成率
30円以上最大50万円3/4(中小企業は4/5)
60円以上最大100万円3/4(中小企業は4/5)
90円以上最大150万円3/4(中小企業は4/5)
※特例的に最大600万円までの助成枠あり

4. 申請の流れ

申請書の準備・提出(事前に労働局へ相談推奨)
審査・交付決定(審査後に交付決定通知)
業務改善の実施(設備導入やシステム導入など)
支給申請(実施報告・証拠書類を提出)
助成金の支給


5. 社労士の活用メリット

助成金の申請は要件が細かく、書類作成や賃金計算が必要となるため、社会保険労務士に相談することでスムーズな申請が可能です。特に以下のようなサポートが受けられます。

助成金の対象要件の確認
賃金引上げ計画の立案・アドバイス
申請書類の作成・提出代行
業務改善計画の策定サポート


6. まとめ

業務改善助成金は、賃金引き上げと業務効率化を同時に進めるための支援制度です。企業の成長と従業員の待遇改善を図るため、ぜひ活用を検討してください。

🔹 申請の相談やサポートを希望する場合は、社会保険労務士にお問い合わせください!